不動産取引ガイド

購入前に自分で確認すべき重要ポイント3選!

不動産は人生で最も大きな買い物の一つです。
宅建業者は宅建業法により売買契約前に「重要事項説明」を行う義務がありますが、これは法律で定められた最低限の事項に留まります。
つまり、購入者にとって重要でも説明義務のない事項は数多く存在するのです。
親切な業者であれば様々な情報を教えてくれることもありますが、全ての業者がそうとは限りません。「知っていたら買わなかった」という後悔を避けるために、自分でできる調査は必ず行いましょう。今回は、誰でも簡単にできる3つの重要な確認事項をご紹介します。

【ポイント1】ハザードマップで災害リスクを徹底確認基本的なハザードマップの確認方法

購入検討物件のハザードマップ確認は必須です。
各市区町村のホームページで「○○市 ハザードマップ」と検索すれば、以下の情報を簡単に調べることができます。

・浸水予想図・浸水履歴図:過去の浸水実績や将来の浸水予想
・液状化マップ:地震時の液状化リスク
・土砂災害警戒区域図:がけ崩れや土石流のリスク
・地震防災マップ:震度予測や建物被害予測

また、より詳細な災害リスク調査を実施する事も出来ます。ハザードマップ以外にも確認すべき情報があります。国土交通省の重ねるハザードマップを活用すれば、複数の災害リスクを一度に確認できます。また、過去の災害履歴も重要な判断材料です。地元の図書館や自治体で過去の災害記録を調べたり、国土地理院の古い航空写真で土地の変遷を確認することも可能です。保険会社の水災保険料も参考になります。水災リスクの高い地域では保険料が高く設定されているため、間接的にリスクを把握できます。物件検討の初期段階でこれらの情報を把握しておけば、購入判断の重要な材料となり、万が一の際の対策も事前に検討できます。

【ポイント2】実際の生活をシミュレーション!現地調査の重要性!

・時間帯を変えた複数回の現地訪問

不動産業者との内見だけでは不十分です。
実際の生活をイメージするために、以下の時間帯に現地を訪れてみましょう。

・平日の朝(7-9時):通勤ラッシュの混雑状況、駅までの実際の所要時間
・平日の夜(18-21時):帰宅時の街の様子、夜道の安全性
・休日の昼間:家族連れの様子、商業施設の混雑状況
・休日の夜:繁華街の騒音、夜間の治安状況交通アクセスの実地検証

徒歩での確認は特に重要です。車で案内された場合でも、必ず駅まで実際に歩いてみてください。
販売図面の所要時間は最短ルートを基に計算されており、実際は以下の要因で時間がかかることが多いです。

・踏切での待ち時間(朝夕は特に長時間)
・幹線道路の信号待ち時間
・坂道や階段の負担
・雨天時の歩きにくさ

可能であれば、自転車でのアクセスも確認しましょう。
駐輪場の有無、自転車通行可能な道路の確認、坂道の勾配などをチェックしてください。
生活施設の実地調査、地図上だけでなく、実際に以下の施設を利用してみることをお勧めします。

・スーパーマーケット:品揃え、価格帯、営業時間、駐車場の混雑状況
・医療機関:内科、小児科、歯科などの診療科目と評判
・教育機関:保育園、学校の通学路の安全性
・公園:遊具の状況、管理状態、利用者層
・公共施設:図書館、公民館などの利用しやすさゴミ置き場と近隣環境のチェック

ゴミ置き場の確認は意外に重要です。管理状況が悪い場合、異臭や害虫の問題が生じる可能性があります。
また、ゴミ出しのルールが厳しい地域もありますので、事前に確認しておきましょう。
騒音源の確認も大切です。
近隣に工場、幹線道路、鉄道、学校、商業施設がある場合は、時間帯による騒音レベルの変化を確認してください。
近隣住民への聞き取り調査は躊躇される方も多いですが、近隣住民への聞き取りは非常に有効です。
以下のような方法でアプローチしてみてください。

<マンションの場合>

・管理人への質問(管理状況、住民トラブルの有無)
・エントランスで会った住民への挨拶がてらの質問
・掲示板の内容確認(トラブル情報、管理組合の活動状況)

<戸建ての場合>

・向かいや隣の住民への挨拶
・散歩中の住民への質問
・地元の商店での情報収集

複数の方から意見を聞くことで、より客観的な情報を得られます。一人だけの意見では偏りがある可能性があるためです。

【ポイント3】売主からの告知書で隠れた情報を入手

物件について最も詳しいのは売主です。
しかし、売主も悪気はなくても「聞かれなかったので答えなかった」というケースが頻繁にあります。
口約束では「言った・聞いていない」のトラブルになりがちなので、必ず書面での告知書を求めましょう。
告知書は仲介会社を通じて売主に依頼できます。
買付申込み前の早い段階で入手することが重要です。
契約条件がまとまってから契約日までは時間が限られているため、契約当日に想定外の事実が判明するリスクを避けられます。
告知書には以下のような項目を含めてもらいましょう。

<物件の履歴・経歴>

・築年数や建築時期の詳細
・過去の修繕・リフォーム履歴
・過去の売買履歴や賃貸履歴
・建築時や購入時の特殊な事情

<物理的な不具合・問題>

・雨漏り、シロアリ被害の履歴
・給排水管の不具合経験
・電気設備の問題
・壁や基礎のひび割れ

<近隣関係・環境面>

・近隣住民とのトラブル履歴
・騒音や臭気の問題経験
・ペットの飼育状況
・町内会や管理組合での問題

<法的・権利関係>

・境界確定の状況
・越境物の有無
・通行権などの権利関係
・建築基準法上の問題
・告知書以外の書面資料

売主から入手できるその他の重要な書面について

<マンションの場合>

・管理組合の議事録(直近2-3年分)
・長期修繕計画書
・修繕積立金の収支状況
・管理費・修繕積立金の滞納状況

<戸建ての場合>

・建築確認申請書・検査済証
・設計図書・仕様書
・地盤調査報告書
・建築時の近隣説明資料

自己防衛の重要性不動産購入は一生に一度の大きな決断です。
宅建業者は必要最低限の調査は行いますが、完璧にすべてを調査する義務はありません。
営業担当者も様々な情報を提供してくれますが、すべてを鵜呑みにせず、自分の目と足で確認する自己防衛の意識が不可欠です。
上記の3つのポイントを実践することで、「知っていたら買わなかった」という最悪の後悔を避け、納得のいく不動産購入を実現できるでしょう。
今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

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