不動産取引ガイド

“中古戸建の水が出ない”当たり前だと思って見過ごすと、こんなトラブルになる可能性があります。

水道、ガス、電気など、使えて当たり前の便利な日本。でも、不動産売買によって所有権が変わる時には、思わぬところでトラブルになる可能性があります。契約の時に少し気を使うだけで、それを回避することができます。今回は、その一例として「戸建ての水道」のポイントをご紹介したいと思います。

まず“ライフラインが他人地を経由して引き込まれていないか”を確認することは、基本中の基本です。道路の本管から物件の敷地に直接引き込まれておらず、他人の敷地を通過しているというのは、地中とはいえ越境状態にあることになってしまいます。上下水道の管轄をしているところで埋設管図を確認し、現地のマスの位置と照合して、問題なさそうかを確認します。皆様が確認しに行くということまではしなくとも、通常であれば、宅建業者が行なっているはずですので、この業者がしっかりと調べたかどうかを聞いておく必要はあります。続いて、宅内への引き込み管の太さも確認しておきましょう。古い家だと13㎜ということが多くあります。水圧的にそれで問題なければ構わないのですが、例えば、「古い平家が建っている土地を購入し、三階建てを建てる予定」というような場合等は、13㎜では日常使用でストレスを感じる水圧になってしまうかもしれません。また、20㎜に増圧しようと思っても、本管は周辺の方々と一緒に使用していることが殆どですから、それらの方の承諾がでないこともあるかもしれません。物件の敷地にある水道メーターのフタをパカッと開けると、○○㎜と書いてありますので、検討に値しそうな物件の時は、そこも確認しておきましょう。

さて、この「水道メーター」ですが、中古住宅を買えば必ずついてくるものと思っていると、落とし穴にはまる可能性があります。水道メーターを売主が持って行ってしまうことも有り得るからです。敷地内に水道を引き込む時には、水道の加入金がかかります。口径にもよりますが、数十万円単位のお金がかかるのですが、それで得た権利を、売主が引っ越した先でも引き続き使用しようと思えば、それができてしまうのです。では、取り外された取引対象の買主はどうすれば良いかと言えば、新たに加入の手続きと費用を負担しなければいけません。売主の転居先が同一市区町村内でなければいけなかったり、売主自身もメーターは付帯設備だから当然引渡すものと考えていることが多かったりするので、このようなケースは稀なのですが、それだけに見落としてしまう危険性があるわけです。もし、「売主さんが近くに家を建ててそこに転居するので売却」というような情報を得た場合には、念の為に、水道の権利も買主に引き継ぐことになっているかどうかを確認しておくようにしましょう。

以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

———————————————–

「資産となる不動産を真剣に考えるセミナー」

・マーケットを知る
・資産性とは何か
・リスクを考える
・減税・補助金
・私達ができること

↓ 詳細はコチラ ↓
http://www.rchukai.jp/semi/

———————————————–

その価格、売主さんの「言い値」じゃないですか?前のページ

日銀発表 財布・タンス預金「減った」39%の結果から不動産購入を考える!次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    内見時、部屋を見るより重要なこと!?本部エージェントの現場レポート≪中古戸建て編≫⑥前編

    今回は千葉県某所、昭和60年築の戸建てを見てきました。今回も、エージェ…

  2. 不動産取引ガイド

    今あなたが居る場所の災害リスクをスマホでチェック「国交省重ねるハザードマップ」

    お手元のスマホで、いま居る場所の洪水・土砂災害・地震などの災害リスクが…

  3. 不動産取引ガイド

    内見の際はごみ捨て場を確認しましょう。

    内見のとき、マンションでは専有部分、戸建では建物ばかりを見ていませんか…

  4. 不動産取引ガイド

    もし直下型地震が発生したら・・検討エリアの被害想定を事前に確認しておこう!

    購入検討しているエリアの災害危険度を自分でも確認できるサイトがいくつか…

  5. 不動産取引ガイド

    地震活性期に入った日本、地震保険で被災直後の支えを!

    2024年4月17日夜、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震…

  6. 不動産取引ガイド

    今年家を購入された方は確定申告の準備を!

    今年家を購入してお住まいになられている方は住宅ローン減税の申請の準備を…

  1. 不動産取引ガイド

    民法が改正されるのはご存知ですか?
  2. 不動産取引ガイド

    リフォーム済み物件それとも購入してからリフォームどちらがいい?
  3. 不動産取引ガイド

    マンション購入をご検討の方へ 共用部の地震保険の加入状況も把握しましょう!
  4. 不動産取引ガイド

    マンション購入検討者は『EV充電』可能の有無を確認する?!
  5. 不動産取引ガイド

    マンション修繕の決議が出席者の過半数で可能になる?
PAGE TOP