不動産取引ガイド

眺望・採光が良いルーフバルコニーが“あだ”になる!本部エージェントの現場レポート≪中古マンション編≫④

今回見てきたのは、都内某所、築15年の中古マンション。
80㎡超、ルーフバルコニーはなんと150㎡を超える、マンション最上階の特別仕様のお部屋です。
とてもいい物件なのですが、買ってはいけない落とし穴がありました。
トップ画像は、本物件が現在販売中の物件の為、イメージ画像を用いました。実際のものはもっとゴージャスで、バルコニーのほぼ全面にウッドデッキや砂利、植栽があり、さらには、バーベキューをする為の窯やテーブル、冷蔵庫まで設置されています。
おしゃれなレストランのテラス席とそん色ないほどの仕上がり。
作るまでにお金がかかっていることは誰が見ても明らかです。
マンションですので管理規約上は、当然、火気使用は不可となっているはずですが、最上階にあるのはこの住戸だけ。
文句を言われることはまずないでしょう(ほんとはダメですよ)。
天気のいい日に、BBQをしながら美味しいお酒を飲んでいる風景が頭をよぎります。“この物件を買えば、これがそのままこれがついて来る、子供も遊べるなぁ”と楽しい気分になります。
でも、少し冷静に考えてみると、マンションがおよそ12~15年周期で行なう大規模修繕工事(屋上防水含む)は、どのように施工するのだろうか?という疑問がわきます。
マンションは他の所有者がいますから、最上階の人の独断で「防水工事は部分的に行なう」なんてことはできるはずがありません。
当然、全て一旦どかして、工事が終わったら戻すということになります(※)。
ではその費用は、誰が負担するかと言えば、当然にそのバルコニーを専用使用することができる住戸の所有者ということになります。
これだけの量ですから、かなりの金額になるでしょう。
さて、もう少し割り切ってみると、こんな考え方もあります。

自分がその物件を買って、楽しくバルコニーを使用する。

その後、大規模修繕工事になった時には、思い切ってすべて処分してしまって、大規模修繕工事後は、新築当初の状態と同じようにまっさらな状態にしてしまう。

という考え方です。

当然撤去の費用が掛かりますが、結局はお金の話ですので、かかる費用と同じ分、売買金額の値引きを売主側に要求し、もしのんでくれれば買うということにすればいいのです。

この場合、「楽しくバルコニー使用」の期間がどの程度ありそうかということも気になるところです。

買って、一年後には大規模修繕となってしまっては、何となくリスクをとった甲斐がないような気がしてしまいます。

大規模修繕が近々行われそうかを判断する時には、管理会社へのヒアリングというが有効な手段ですが、それ以外にも現地ですぐにできる方法があります。

下記写真のように、後から設置されたウッドデッキ等で隠れていない屋上部分や、外壁のタイル仕上げが無い部分、タイルの継ぎ目のシリコンなどの劣化状況を確認する方法です。

防水層に大きな亀裂があるなどは言わずもがなですが、それ以外にも細かいクラックが散見されるとか、シリコンの部分が固くなってひび割れしているとか(健全な場合はグレーで弾力があります)、写真のように、シミ、コケ、草が生えているなど、あった場合には、防水工事をする必要があります。

今回の物件は、築15年ですから、通常であれば数年前に大規模修繕工事が終わっていてもおかしくありません。

でも、写真のような状況ですので、恐らく過去には行われていないのでしょう。

となると、かなり近い将来に修繕工事が行われる可能性が高いということになります。

もし、管理組合の財政状況が思わしくなく、工事ができないというような状況なのであれば、確実に購入は見送った方がいいでしょう。

%e7%9c%ba%e6%9c%9b%e3%83%bb%e6%8e%a1%e5%85%89%e3%81%8c%e8%89%af%e3%81%84%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%95%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%81%8c%e3%81%82%e3%81%a0%e3%81%ab

%e7%9c%ba%e6%9c%9b%e3%83%bb%e6%8e%a1%e5%85%89%e3%81%8c%e8%89%af%e3%81%84%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%95%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%81%8c%e3%81%82%e3%81%a0%e3%81%ab

※共用部にこの手のものを設置するのはNGなので、戻すのも本当は不可です。

今回の物件は、強力に感性に訴えかける、とても素敵な物件でしたが、将来の資産価値のことを考えると、危なっかしい物件といえるでしょう。以上、リニュアル仲介本部 パイロット店エージェント 石川でした!

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/(ご利用は無料です)
■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

 

 

大事な老後資産 50歳になったら検討しましょう。前のページ

お隣さんと土地を出し合い小道整備 地役権を活用しての街づくりとは?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    家族の成長に合わせて変化させ続けるくらし

    子どもの成長は早いものです。あっという間に成長し独立し家から出ていき空…

  2. 不動産取引ガイド

    認定長期優良住宅等の取得時に選べる2つの特例、どちらがお得?

    マイホームを新築・購入する際には、迷われることが数多くあると思います。…

  3. 不動産取引ガイド

    マンションの共用部分と専用部分の違いについて

    =============▼共用部分とは何か?========…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産購入時に知っておきたい!災害時は自宅が「籠城」となる?!

    阪神淡路大震災から丸30年が経過し、地震に対する意識も高まっています。…

  5. 不動産取引ガイド

    車庫は容積率の対象面積になるのか?

    前回、住宅の地下室については、一定の条件を満たしていれば、容積率の不算…

  1. 不動産取引ガイド

    マンションの節税対策は厳しくなった?!相続税の負担が増える実態!
  2. 不動産取引ガイド

    今更聞けない!!建ぺい率・容積率について…
  3. 不動産取引ガイド

    「羽田新ルート」に伴う騒音 都心の不動産価格にも影響?
  4. デザイン

    駅徒歩6分の好立地 築36年の古い木造住宅を快適住宅に再生
  5. 不動産取引ガイド

    誰でもわかる!木造住宅の耐震診断 ~接合部~
PAGE TOP