投資などの情報提供を行うマネージンの記事から。
http://moneyzine.jp/article/detail/214793
株式会社 GA technologiesが実施したアンケートで、これまで不動産投資で失敗したことがあるのかの設問に対して、40.7%が「失敗したことがある」と回答したそうです。
具体的な理由を複数回答で聞くと、「空室が埋まらなかった」(36.6%)、「修繕費や維持費に出費がかかりすぎた」(31.1%)、「相場より高く買ってしまった」(29.9%)、「リフォームに費用がかかりすぎた」(21.3%)などの回答が多かったとあります。
リニュアル仲介では投資家の目線で住宅購入を判断することを推奨しています。住宅は資産だからです。資産でない買い方をした住宅に資産価値を求めることは難しいからです。
記事の失敗事例を見ていきます。
まずは一番多い「空室が埋まらなかった」(36.6%)から。空室が埋まらない理由は様々ですが、一番に考えられるのは「立地」でしょう。悪い立地にはそもそも人が集まらない、ということです。
※別の設問でアンケート回答者の年収が「年収400万円未満」が30.9%で最も多かった、とありますので、なかなか厳しめの立地の選択なのではないかと推測します。
「空室が埋まらなかった」は住宅取得の場合で言い換えると、「売りたいけど売れない」「貸したいけど借り手がいない」となります。このアンケートの教訓は、不動産は立地が大切ということなのでしょう。
次に「修繕費や維持費に出費がかかりすぎた」(31.1%)です。これは少し違和感を覚えます。修繕費も維持費も買う前にある程度判断できるからです。さすがに不動産投資で修繕費や維持費は厳密に見るはずなのですが、想定以上に修繕費や維持費がかかるというのも考えにくいので、購入前の情報収集が甘かったということなのでしょうか。
これは住宅購入の場合でも同じです。マンションでも戸建てでも、修繕費・維持費は住宅性能がわかる専門家に依頼すれば必要な情報を得ることができます。必要なのは、厳しめに設定しておいて、必要な資金を確保する(積み立てる)動きを取っておくことです。
続いて「相場より高く買ってしまった」(29.9%)。特にマンションの場合、相場は動きますから、買ってから値段が上がってしまうと残念ですね。1円でも安く買いたいというのはほとんどの人の願いですが、住宅の場合、ローン金利が絡みますので、あまり単純な話ではありません。相場を見据えつつ、金利の安いタイミングで購入するのが高値掴みをしない基本姿勢です。結婚したからとか、子供が生まれたから、子供が小学生になったから、友達が家を買ったから…家を買う動機は様々ですが、住宅購入の場合、極端にライフイベントにリンクしているのが問題です。「適正価格で買う」ことと「ライフイベント」はリンクしないのです。
最後に「リフォームに費用がかかりすぎた」(21.3%)。購入前の調査不足です。この物件を買う場合、リフォーム費用がどれくらい必要なのか、そして物件代金とリフォーム費用をあわせて資金計画が上手く回るかを検討して購入を決断すれば、少なくともかかり過ぎることはないはずです。投資の場合は、過剰にリフォームしたとしても、賃料でペイできれば問題ありません。要するに当初の計画と実際の収支が思惑通りにならなかったのでしょう。
リフォームは消費します。どれだけこだわってリフォームしてもそれはあなたの自己満足でしかありません。
記事の内容もそれほど深いものではないのですが、思った以上に多くの教訓が得られそうです。
本ブログでも何度も書かせていただいていますが、現在進行形の人口減家余りは、これまでの住宅の常識を一変させます。親世代の価値観で、また、新築を売らなければならない住宅業界の思惑に踊らされて住宅購入を決断してはいけません。
不動産は資産です。大切な家族を資産の面でも守るために、住宅購入の際には適切に判断したいところです。
リニュアル仲介の稲瀬でした。