不動産取引ガイド

「景色を借りる」~借景を楽しむ住まい~

先日、中古戸建のご案内に行ってきました。

駅からはやや距離があり、旗竿地と呼ばれる奥まった土地の形状の物件です。

事前にストリートビューで見ると、近隣の建物も老朽化しており、あまり期待はできない印象でした。

ところが現地に行ってみると印象は一変。

通路側隣地にあった老朽化した建物は取り壊され、綺麗な住宅が建築されていました。

また、以前は土地いっぱいに張り出していた建物が、きちんと容積率の範囲内で余裕をもった建築物になったため、開放感のある環境となっていました。

また、バルコニー側は、とても綺麗に手入れのされた隣地のお庭が広がっていました。

まるで日本庭園の「借景」という技法のように、隣地のお庭を自宅リビングから楽しめるという思いがけないメリットがありました。

素敵な隣地のお庭ですが、ここで気になるのが相続などによって隣地の所有者が変わってしまうことです。

広さのあるお宅でしたので、将来的には戸建分譲業者などに買われてしまい、細かく分譲されてしまうのでは、という不安をおっしゃっていました。

そこで、改めて隣地の所有者を調べてみると、公共団体が所有者となっており、お庭自体が市民に開放されているということがわかりました。

所有者が公共団体であれば、相続の心配もありませんし、個人が所有しているよりは安定的に管理されることが期待できますね。

近隣に綺麗な景色がある場合には、それが購入のポイントになるケースもありますが、その景色が維持される可能性があるのか、できる限りで調べてみることも必要ですね。

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