不動産取引ガイド

海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 9 【事前準備~売買契約締結 編 7/9】

前回に引き続き「STEP 4 『商談開始(=買付申込)から売買契約締結』」をご説明していきたいと思います。

■STEP 4 「商談開始(=買付申込)から売買契約締結」

4.買付申込、建物状況調査実施時期の検討、既存住宅売買瑕疵(かし)保険付保の検討

買付申込というのは、「この条件であれば買っても良い」という意思を売主に伝える為の書面です。現在(2017年6月)の日本の不動産業界では、取引に際して建物状況調査を実施すること自体がレアケースですので、通常の取引では、単に「この物件をいくらで買いたい。契約日、引渡しは○日が希望」程度の内容です。本来であれば、買付け申込前の建物状況調査実施、遅くとも契約締結前の建物状況調査実施をお勧めしたいところですが、良い物件の場合には「建物状況調査申込→(1週間程度)→現地調査実施→(1週間程度)→調査結果報告(※))」の間に、他の買い手がついてしまうことも多くある為、実務上は、「契約前の建物状況調査実施を条件とした買付」という手段を用いたり、場合によっては、「売買契約後の建物状況調査実施」とせざるを得ない状況も生じます。リニュアル仲介のエージェントは、一般的な不動産会社の方よりも、建物のことについて熟知しておりますので、内見後のエージェントの説明を踏まえて、建物状況調査実施を後回しにするかたもいらっしゃいます。もちろん、エージェントだけでは判断がつかない部分がある物件の場合には、きちんとそのようにお客様にお伝えし、専門家(建築士且つ所定の資格を有する者)による建物状況調査実施をお勧め致します。建物状況調査の時には、床下や小屋裏の点検も行ないます。よくあるトラブルが、「お金を払って建物状況調査を依頼し専門会きてもらったものの、床下・小屋裏の点検口が無い物件で、結局調査ができなかった」というものです。このようなことを避けるために、内見の時には、点検口の有無を必ず確認しておくようにしましょう。また、中古住宅用の「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」を付保したい場合には、“その検査を行うことができる資格を持った人”にも建物をみてもらう必要があります。建物状況調査を行なう人が、この検査を行う資格を持っていることもあれば、もっていない場合もあります。後者の場合には、二人がその建物を見ることになるわけですね。

※「報告書」省略の方法

上記の報告は「報告書」ができるまでという意味で書いていますが、タイミングよく建物状況調査実施日にお客様も立会うことができれば、調査終了後に建築士から「この物件は雨漏りも傾きもない健全な状態ですが問題ありません」といったような説明を受けることもできます。この説明をもって売買契約に踏み切ったとすると、上記説明の内、1種間程度は短縮できることとなります。

次回は、『STEP 4 「商談開始(=買付申込)から売買契約締結」 5.リニュアル仲介ならではの強み』です。以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

 

■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

防火地域と準防火地域って何が違うのかご存知ですか?前のページ

やっぱり怪しい?「仮登記」のホントのところ次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    『中古住宅 or 新築住宅』 知らないと損する購入の違いとは?!

    ■そもそも『中古住宅 or 新築住宅』と聞かれれば・・・良く不動産…

  2. 契約関係

    公図と現況のズレが生じる事が多々あります。

    法務局で取得できる地図「公図」があてにならないことがあるようです。…

  3. 不動産取引ガイド

    他人ごとではないですよ!「被災するということ」とは

    皆様の記憶にも新しい東日本大震災。多くの被災者が今も苦労されています。…

  4. 不動産取引ガイド

    将来売ることが難しくなりそうなエリアを選ばない

    「家は一生に一回の買い物」「終の棲家」などかつては余程資産に余力がある…

  5. 不動産取引ガイド

    「管理費」は総戸数が多くても少なくても高くなる!?

    マンションを購入すると、管理費・修繕積立金等のランニングコストがかかっ…

  6. 不動産取引ガイド

    マンションの外から室内に入ってくる音を防ぐには

    在宅勤務のスタイルも一般化しつつある。自宅で過ごす時間が長くなると、今…

  1. 不動産取引ガイド

    昨今の首都圏マンション高騰状況について、今後はどう考えるべきか
  2. 不動産取引ガイド

    地震対策で最も手っ取り早く確実な方法とは?
  3. 不動産取引ガイド

    不動産購入の大まかな流れを知ろう!
  4. 不動産取引ガイド

    進化する木造建築
  5. 不動産取引ガイド

    3Dプリンターの住宅
PAGE TOP