不動産取引ガイド

遺言書が使えない!?相続トラブル回避術

相続争いを回避するため、遺言書を作成しておくとよい、ということはよく耳にしますね。

「うちは揉めないだろう」という方も多いのですが、遺言書には、「揉めないため」という意味と、「お子様や相続人の方へ感謝の気持ちや想いを伝える」という意味もあります。

また、ご自宅を含め不動産を保有している方は、遺言書を作成しておいた方が良いケースが多々あります。

不動産は現金と違い、分割することが困難です。

しっかりと、不動産の相続先を指定してあげることが、トラブル回避の術となります。

ご自宅をご購入された方は、「遺言書を書いておいた方が良い」ということも、どこかで覚えておいていただければと思います。

では、遺言書を書く際の注意点には、どんなことがあるのでしょうか。

1.物件の表示

何よりもまずは、遺産となる不動産の特定です。

以前の記事でも書きましたが、「住居表示」と地番は異なります。

https://smile.re-agent.info/blog/?p=869

住居表示だけですと隣のお宅も住所が一緒だったり、共有している私道の記載が漏れていたり、といったケースが考えられます。

2.日付の記載

遺言書の内容で重要になるのが、「日付」です。

同じ方が2回遺言書を作成していた場合、作成日付の新しい遺言が有効になります。

作成日の1日違いで有効無効が変わってしまうのです。

特に気を付けたいのが。「12月吉日」といった記載です。

こちらの記載は認められませんので、作成する場合には、しっかり日付まで記載しましょう。

3.全文手書き

遺言書にもいくつかの作成方法がありますが、自筆証書遺言という方式の場合には、「全文を自筆」で作成しなければなりません。

遺産が多岐にわたる場合にはなかなか骨の折れる作業になりますが、パソコンで作成することは認められていません。

4.花押はNG

「花押(カオウ)」というものをご存じでしょうか。

ハンコの代わりに、自身のサインを絵のようにした、押印に代わる文化があります。

昔の武将や、一部の総理大臣も使っていたようです。

ところが、遺言書作成において、押印の代わりに花押を用いることは「無効」という裁判例が先日出てしまいました。

個人的には、恰好いいですし、本人の作成に間違いないという点では、押印の代わりとして認めても良さそうな気がしますが、実際には認められないということです。

きちんとハンコを押しましょう。

不動産購入は、買って終わりではありません。

日々のメンテナンスや、状況の変化による売却の可能性、相続が発生した場合の備えなど、考えるべきことはたくさんあります。

リニュアル仲介では、バイヤーズエージェントとして不動産購入についてトータルでサポートさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

『定期借地権付きマンション』の資産価値は?前のページ

住宅ローンの種類ってたくさんあってわかりませんよね?次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    間取りの失敗ランキング!

    現在、自宅の建て替え計画がありますのでいろいろな雑誌を見ます。そこ…

  2. お金・ローン・税金

    住宅ローン控除と耐震基準適合証明書

    3月16日は、今年の確定申告の申告期限ですね。 駆け込みの申告も多いと…

  3. 不動産取引ガイド

    引越しと固定資産税通知

    不動産を所有しているとかかる固定資産税ですが、引越しをした場合には、転…

  4. 不動産取引ガイド

    資産価値維持のための遺言書作成

    今回ご相談いただいたお客様は、お父様がお亡くなりになり、お母様が施設に…

  5. お金・ローン・税金

    家を買うと、どんな税金がかかる?

    不動産を購入や所有することで税金がかかります。今回は、どんな税金が…

  6. 不動産取引ガイド

    限られた資金で満足感を得るコツ

    理想の家を手に入れる為、あれもこれもと希望を盛り込むと価格も膨れ上がり…

  1. 不動産取引ガイド

    地震活性期に入った日本、地震保険で被災直後の支えを!
  2. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 3 【事前準備~売買契約締結 編 1/9】…
  3. 不動産取引ガイド

    マンションの敷地権とは?
  4. 不動産取引ガイド

    地震保険金の早期お支払いに向けた対応について
  5. 不動産取引ガイド

    新型コロナウイルスの影響により、住宅・マンションの不動産価格はどこまで下落するの…
PAGE TOP