不動産取引ガイド

老朽マンションの玉突き建て替えとは?!

2018年8月19日 日本経済新聞の朝刊に『老朽マンション 「玉突き」で建て替え』といった記事が出ていました。

詳細については下記の日本経済新聞をご確認下さい。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34322660Z10C18A8MM8000/

内容を見てみますと、東京都は老朽マンションの連続した建て替えを促す制度を、2019年度にも創設するようです。

現在、東京都内の分譲マンションは約181万戸あり、全国の3割を占めるようです。このうち築40年以上の物件は2013年時点で約13万戸でしたが、23年には3倍の約43万戸に急増する見込みであり、特に1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた老朽物件は首都直下地震などが発生した場合に倒壊の危険性が高く、建て替えが急務とのこと。

ちなみに東日本大震災の際には仙台市内の旧耐震マンションにも被害が出ていましたので、切迫する首都圏直下型地震を考慮するとこのような動きになるのも判ります。

今回の玉突き建替えとは、不動産会社が老朽マンションを買い取れば、別の場所に建てるマンションの容積率を上乗せするというものです。

買い取った物件の跡地にマンションを建設する場合にも、別の老朽物件を買えば容積率を積み増す事ができますので、企業主導で旧耐震基準のマンションを建て替えが出来るようになります。

結果、人口を多く抱える東京都においては災害に強い都市を目指すことにもつながりますので、一石二鳥のような制度です。

しかし、問題なのはこのような政策が進むと地方や駅から離れた物件はまったく開発が進まず、放置される可能性が出てきます。

その為、私たちが声高でお伝えしている、資産価値を意識した住宅購入をしておかなければ、後悔してしまう可能性が高まります。

老朽マンションを買い取った不動産会社などが周辺で居住者の転居先にもなるマンションを開発する際、容積率を上乗せでき、通常より分譲戸数を増やせるため収益が増えます。
(玉突き建替えで企業の再開発へのやる気を高めてもらうという狙いが伺えます。)

結果、企業が建て替えに参入しやすくなります。

買い取った老朽物件は解体し、跡地で新たなマンションを開発してもらうことを想定しているようですが、跡地の新マンションも周辺の別の老朽マンションを買い取れば、容積率を緩和できるようになりマンションの合併?!みたいなものも広がりそうです。

複数の老朽マンションの建て替えが玉突き建替えで進むようになることも想定しているようです。

勿論、このような政策が進む際に、一番重要な事は本当に建て替えが進むのかを考えなければなりません。

そもそも、老朽マンションの建て替えは費用負担や工事中の仮住まいの確保など課題が多く、入居者の話し合いだけで合意するのは難しいのが現状です。

この玉突き建替えでは老朽物件を周辺の一定エリア内で建て替えることを想定しているようですが、不動産会社が新規物件を開発しやすく、資産価値の高いエリアに特化していく事が予想されます。

今回の玉突き建替えの記事については、今後の動向に注目していきたい内容でした。

法人営業部 犬木 裕

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