「路線バスは「自動運転」「電気バス」「AI」でここまで変わる(http://blogos.com/article/320664/)」という記事がありました。イーグルバスという会社が、赤字バス路線を復活させたインタビュー記事です。
日本は人口減少社会ですから、これまで通りは通用しません。
お客がいなければ民間企業は撤退します。商店(ショッピングセンター)、病院だけでなく、バス・電車などの交通機関ももちろん撤退を余儀なくされます。
少し前に地方のタクシー会社が宅配業を兼業として行っているという特集をテレビで見たのですが、公共交通機関の問題となると、代替案が存在することが前提になっていて、持続可能な対策なのか甚だ疑問です。
電車が廃線になるときには、バスが代替交通手段に挙げられますが、そのバスも赤字なら廃線を余儀なくされます。
そうなると車しか交通手段がなくなるのですが、お年寄りによる交通事故が社会問題化している以上、個人の責任ではどうにもならなくなります。
代替案タクシーも論外です。
他所よりもはるかに高い運賃を地域住民が負担するならよいのですが、一般的なタクシーサービスは地方では成り立ちません。
この問題が深刻なのは、既に先が見えない地域は具体化されていて(つまり将来的な予想ではなく現在進行形の問題)、その問題に対して有効な対策が見つけられていないということです。
最近は下火になりましたが、一時田舎暮らしを称賛する風潮がありましたね。
雰囲気だけで過疎地に住むことを決めてはいけないという教訓になりつつあると思います。
はっきり言って若者が過疎地に住む合理的な理由がないからです。
年寄りにいいように扱われて、自分が年寄りになることには街が存続していないという恐ろしいオチが待っています。
※過疎地の問題はかなり根が深いです。
頭を下げてお越しくださいとまでは言いませんが、物心ともに満足できるメリットが提供できないと若者はやってきません。
人が減るということはお金が減るということです。
お金のない街では、生活が不便になるだけでなく、医療やごみの問題など生活の質を大きく損なう結果となり、インフラの維持管理もままならず、必要な災害対策を講じることもできず、万が一災害に見舞われても復旧する予算が確保できません。
随分と極端な例を挙げると思われるかもしれませんが、税収が減って予算が削られると行政は本当に何もできなくなります。
ふるさと納税で延命したように見える自治体が多いです。人口動態を見ればその自治体の行く末は容易に予想できます。
「これまで通り」の雑音に惑わされぬよう、これからの住宅購入を冷静に考えたいものです。
リニュアル仲介の稲瀬でした。