不動産取引ガイド

どのような戸建て住宅で雨水の浸入が多いかご存知ですか?

2019年8月20日に日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(略称:木耐協)の宿泊研修会に参加してきました。

その際に、株式会社日本住宅保証検査機構(通称:JIO)様の講演があり、非常に興味深い内容でしたので、本日はご紹介したいと思います。

https://www.jio-kensa.co.jp/  (株式会社日本住宅保証検査機構様HP)

戦後、日本の木造住宅の平均寿命は20数年と言われた時代もあったようですが、住宅品質確保法の『住宅性能表示制度』や、長期優良住宅普及促進法において、1990年代からは100年の寿命を目指す取り組みがスタートしました。

耐久性を確保するための設計仕様も様々な形で、検討・基準化されてきましたが、現実は、せっかく長寿命を目指した住宅においても、外皮部分である、屋根や外壁、開口部等から雨水の浸入を起してしまい、躯体内の劣化を進行させてしまっているシーンもあるようです。

結果新築で建てても、比較的早いタイミングで大が掛かりな補修・改修工事が必要となるケースも少なくないようです。

そのようなシーンにおいて、住宅瑕疵担保責任保険という制度もあり、万が一の保険制度はありますが、残念ながら住宅品質確保法の瑕疵担保責任期間である満10年を過ぎてから劣化事象が本格的に進行する事もあるようです。

それも軒の出や庇のない屋根形状、陸屋根やパラペット付き勾配屋根、一体型バルコニーなどの採用により、外壁への雨掛かりが多くなり、防水への依存度が高い密閉型の外皮構造が一般化しているようです。

それも『片流れ』『軒ゼロ』『金属屋根』の3項目に則した物件が雨水侵入の事故が多いようです。

住宅瑕疵担保責任保険法人である『株式会社日本住宅保証検査機構(通称:JIO)』様の調査によると、設計施工基準の雨水浸入部位に関する区分の層分けは、大きく『屋根の防水』『バルコニーおよび陸屋根の防水』『外壁の防水』の3つに分けられているようで、その部分の状況は不動産の内見時や購入後の定期的なチェックが必要なようです。

新築木造住宅の保険事故物件を見ていますと、圧倒的に『サッシまわり』の雨水浸入が多いようです。それについで「外壁の平部分」、「防水層とサッシの取り合い」といった箇所が挙げられるようです。

リニュアル仲介では中古住宅購入時に建物状況調査(インスペクション)は欠かせないものと考えます。その理由として、中古住宅の問題点でもありますが、建物の現在の性能がわからないという事が挙げられます。また、日本において中古住宅が流通しない大きな原因は、既存建物を調査し評価する仕組みがなかったからです。

「中古住宅は購入代金が安くても後ほどリフォームでお金がかかる」といって新築偏重の住宅市場となってもいました。実は建物を調査し評価する仕組みは最近開発されたものではなく、結構前から実務が運用されているのです。

耐震診断などはその代表例であり、弊社では20年以上も前から耐震診断を実施して参りました。その技術を活かして弊社(リニュアル仲介本部)では建物状況調査(インスペクション)の提供を行っています。

中古住宅購入時には住宅ローン減税が使えないものを使えるようにする手続きや各種補助金の活用提案を行っています。また住宅ローンでフラット35を利用する場合、フラット35の適合証明書の発行に関する調査も行っています。

ぜひ、不動産購入時には当社にお声掛けいただければ幸いです。

法人営業部 犬木 裕

4人家族にちょうどいい住まいの広さ ~理想の広さと最低限必要な広さ~前のページ

住宅ローンの借り換えは検討していないのですか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    割安な物件をどうやって見つけられるか?〜不動産エージェントが教える賢い選び方〜

    こんにちは!エージェントの中田です。今日は、住宅購入を考えている方なら…

  2. 不動産取引ガイド

    今更聞けない!!建ぺい率・容積率について…

    住宅を購入する際の販売図面には建ぺい率と容積率が記載されてますが、あの…

  3. 不動産取引ガイド

    家づくりサポートシート(リビング・ダイニング・キッチン編)

    家づくり雑誌を見るといろいろなサポートシートが掲載されています。そ…

  4. 不動産取引ガイド

    心“ほっこり”お客様の声。初めてのブログが早くもランキング1位!

    私がお住まい探しの担当をさせて頂いたお客様が、私のことをブログで書いて…

  5. 契約関係

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 11 【事前準備~売買契約締結 編 9/9】

    前回に引き続き「STEP 4 『商談開始(=買付申込)から売買契約締結…

  6. 不動産取引ガイド

    売主が海外に居住している場合の注意点2

    売主が海外に居住している場合に必要な書類などを前回ご紹介しましたが、そ…

  1. 不動産取引ガイド

    東京圏新路線!資産価値に直結する要素は、つぶさにチェック!
  2. 不動産取引ガイド

    未来を変えるサステナブル住宅
  3. 不動産取引ガイド

    いよいよ鉄道が廃線になる時代に突入!
  4. 不動産取引ガイド

    2016年住みたい街ランキンの結果と住宅購入エリアの選定について
  5. 不動産取引ガイド

    建物の「新築」はいつなのか
PAGE TOP