不動産取引ガイド

激甚化する水害と住まい選び

一般社団法人日本建築学会は「激甚化する水害への建築分野の取組むべき課題~戸建て住宅を中心として~」と題する提言を公表しました。

これは、建築関連団体や土木分野の関連学協会と連携し、取り組むべき喫緊の課題をまとめたものです。

この提言において、昨今の水災害の激甚化について触れられています。

ここ数年は特に、大型台風の発生やゲリラ豪雨など、これまでにない規模での災害が毎年のように報告されています。

2018 年 7 月豪雨、2019 年台風第 15 号、第 19 号など、多くの犠牲者が出てしまった災害もありました。

こうした背景もあり、水害がもたらす被害の実態調査、データの収集、蓄積、調査の重要性と、建築・都市計画両面からの耐水性能の確立が提言されています。

建築の分野からは、「水害に耐える建築構造技術の開発」と「水害からの復旧性能の高い建築物の開発」などが重要とされています。

例えば一度浸水してしまい木材や断熱材が水を含んでしまうと、含水率の高い状態が維持されてしまい、微生物の汚染源となってしまいます。

また、下水が逆流した場合や、工場の排水などが流出したケースなど、衛生面に深刻な被害が生じてしまうケースもあります。

こうした場合の処置の方法などの確立も重要な課題として挙げられています。

併せて重要なのが、都市計画の側面からのアプローチです。

浸水想定区域図やハザードマップに対応するかたちで、より地域の状況に即した具体的な浸水対策の技術基準が必要となります。

この中には、「ハザードエリアから居住誘導区域への自主的な移転を支援」といった項目もあります。

人が住むべきエリアと、そうでないエリアを線引きするという考え方になります。

この制度はまだ提言に留まっていますが、今後人口が減少し、空き家が増えていった場合には、当然、こうした考え方は主流になってくるかと思います。

土地や建物が余っているときに、あえて危険なエリアに住もうという人はいなくなります。

それはそのまま「不動産の資産価値」に直結することになるかと思います。

政策しての移住支援が確立されれば、税制優遇(固定資産税の軽減)なども設けられるかもしれません。

住まいとしての安全性の面からも、資産としての安定性の面からも、ハザードマップの確認は改めて重要であると言えると思います。

ぜひ購入物件を検討される場合には、このポイントも気にしていただきたいと思います。

もし気になる物件が見つかりましたら、お気軽にエージェントまでご相談ください。

経験豊富なエージェントが、具体的な条件を精査のうえ、「買主の立場に立って」アドバイスをさせていただきます。

ぜひリニュアル仲介サービスをご利用ください。

減災型まちづくりを模索し、立地適正化計画のエリアも変更される?!前のページ

快適で機能的なスペースレイアウトと開口次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    地震リスクを少なくする家の買い方 土地(エリア)と建物性能は分けて判断する

    1月1日に発生した令和6年能登半島地震は甚大な被害をもたらしました。亡…

  2. 不動産取引ガイド

    自宅の建替えと法規!?

    建て替えができない土地がある事をご存知ですか。親が所有している…

  3. かし保険

    「売主は誰だ!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点 ≪付保証明書で住宅ローン控除等を使う方…

    今回は、「既存住宅売買瑕疵保険の付保」による住宅ローン控除等利用につい…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産を取得した際に課税される?!不動産取得税について

    不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得した際に課される地方税です…

  5. 不動産取引ガイド

    賃貸という手もありますよ!?

    購入した住宅に住むことが出来なくなった場合、皆さんならどうされますか?…

  6. 不動産取引ガイド

    今後益々発展していく、渋谷区桜丘町エリア!今後どのような変革を遂げるのか?!

    ◆今後益々発展していく、渋谷区桜丘町エリアについて現在、渋谷駅の南…

  1. お金

    “勘定合って銭足らず”調整不足で建築中に資金ショートの事態も!
  2. 不動産取引ガイド

    屋根の素材の種類
  3. 不動産取引ガイド

    建物調査のデメリット
  4. 不動産取引ガイド

    憧れの一戸建て。リアルに買えるエリアの見つけ方。【後編】
  5. 不動産取引ガイド

    限られた予算でも理想の住まいを! 妥協せず購入するポイントと戦略
PAGE TOP