不動産取引ガイド

見落としがちな表示変更登記

販売チラシに記載してある「一部未登記」や「地目:山林」といったワードをご覧になったことはあるでしょうか。

物件選びの際にはあまり気にされる方も多くはないと思いますが、これらのワードは実際に物件購入手続きの段階になると、様々な問題が発生する場合があります。

◆一部未登記

これは、増築などをして、その面積が増えたことを登記していない、という状態を指します。

法律上は、建物の面積が増減した場合には、すぐに登記の面積も変更することが義務付けられています。

ところが、登記の変更をチェックする機関などがないため、たいてい登記されずに放置されてしまうのです。

◆地目:山林

地目とは、登記簿に記載された土地の種類を意味します。

建物が建築された土地は、「宅地」とされます。

ところが、建物建築以前に「山林」だった土地に建物を建てた後、登記の地目を変更せずに放置されることがあります。

こちらに関しても、その変更がされていないことを誰にも指摘されないまま、数十年が経過してしまっている、ということもあります。

これらの変更登記を「表示変更登記」と呼びますが、問題になるのは、この土地や建物を購入する際に融資を利用するケースです。

金融機関から住宅ローンなどの融資を受ける場合には、土地や建物の現況と、登記簿の記載が一致していることが条件とされます。

そのため、取引をする段階になって、慌てて表示変更登記をすることになるのです。

地目を「山林」から「宅地」に変更することに関しては、あまり大きな問題はありません。

一方で、建物の面積を変更する場合には、改めて図面を作成して増加した面積を計算したり、当時の工事会社との契約書が必要になったりと、色々と面倒なことが発生します。

また、工事から時間が経っていると、必要な書類を紛失しており手続きが進まないなどのケースもあります。

もし販売チラシにこうしたワードを発見した場合には、無事に変更登記が可能なのか、しっかりと確認するようにしましょう。

スマートキー使ってみませんか?前のページ

2020年9月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    米国の不動産エージェントから学ぶ、信頼のおける不動産事業者とは?!

    米国では不動産エージェントに相談しながら、不動産購入をされる方が多いと…

  2. 不動産取引ガイド

    海外の玄関ドアは内開き 日本はなぜ外開きなのか?

    家屋の玄関扉一つをとっても国によって文化的な違いがでます。今では日…

  3. 不動産取引ガイド

    壊れるまで使うではなく故障する前に交換する

    中古住宅を買って、そんなに日が経っていないのにあれこれ不具合が生じてリ…

  4. 不動産取引ガイド

    コロナ禍で検討したい各駅停車の駅近物件

    コロナ禍において企業のテレワーク体制の整備が進んでいるという記事があり…

  5. 不動産取引ガイド

    火災保険と地震保険の選び方ってご存知ですか?

    補償が多いので、何を基準に検討して良いかわからない方も多いと思います。…

  6. 不動産取引ガイド

    コロナ禍でもマイホームを「今、あえて買う」理由

    最近見かけたニュースをご紹介します。コロナ禍でも、新築分譲マンショ…

  1. 不動産取引ガイド

    空き家対策されていますか?
  2. 不動産取引ガイド

    相続後の住居どうするべきか、配偶者居住権を活用する?!
  3. 不動産取引ガイド

    築11年でもこんなにあった気になる劣化等...!?本部エージェントの現場レポート…
  4. 不動産取引ガイド

    間接照明の使い方で1UP。
  5. リノベーション

    中古住宅購入時のリフォームはかし保険の検査技術のある事業者選びが大切
PAGE TOP