不動産の物件案内でマンションを内見していると、意外な場所で結露を見つけることがよくあります。
浴室や洗面所といった水回りではなく、居室での結露です。結露を放置すればカビの温床となり、住む人の健康を害するだけでなく、建物の資産価値も損なってしまいます。
今回は、マンションでカビが発生しやすい場所と、その対策についてお伝えします。
■不動産の内見時に必ずチェックすべきポイントについて
物件の内見では、北側の壁や天井、床を入念に確認しましょう。
窓枠も重要なチェックポイントで、結露の跡が残って黒ずんでいるケースも少なくありません。
売主が居住中の物件では、家具や荷物で隠れて一見わからないこともあるため、可能な範囲で注意深く観察することが大切です。
部屋の隅や窓周辺を見るときは、壁紙の変色やシミ、わずかなカビの痕跡がないかをチェックしてください。
特に角部屋は外気に接する面が多いため、より慎重な確認が必要です。
■物件選びと暮らしの注意点!なぜ北側の部屋は結露しやすいのか?
北側の外壁には太陽光が当たらないため、一日中温度が低いままです。
冷えた外壁と暖房で温められた室内との温度差が大きくなることで、結露が発生しやすくなります。
これは冬場に顕著ですが、梅雨時期など湿度の高い季節にも注意が必要です。
さらに、マンションの断熱材が途切れる部分では、熱の出入りが激しくなり結露のリスクが高まります。
断熱材が途切れやすいのは「窓」や「壁と天井が接する部屋の隅」などです。
こうした部分で熱が伝わりやすくなる現象を**ヒートブリッジ(熱橋)と呼びます。
■ヒートブリッジ(熱橋)をご存知ですか?
ヒートブリッジ(熱橋)とは、断熱材が入っていない柱や梁などの構造部分が、外部の熱を室内に伝えてしまう現象です。
木材でも断熱材より熱伝導率が高く、鉄骨やコンクリートであればなおさらです。
夏は外の暑さを、冬は冷気を室内に伝え、結露の原因となります。
このようなヒートブリッジ(熱橋)が生じやすい部分や北側の壁付近は、結露が発生しやすい「カビ要注意ゾーン」です。
家具の配置にも工夫が必要になります。
■不動産購入時の危険な間取りと家具配置
〇北側の外壁に押入れ・クローゼットがある間取り
押入れやクローゼットのような小さく区切られた空間は、空気の流れが悪く湿気がこもりがちです。
北側の壁に面してこれらの収納スペースがある間取りは要注意。結露が発生しやすい条件が揃っており、知らないうちに布団や衣類にカビが生えていたという事態も起こりえます。
このような間取りの物件を購入する場合は、除湿剤を活用したり、定期的に扉を開けて換気したりする対策が欠かせません。
〇北側の外壁沿いに大型家具を置くのはNG
角部屋で外気に面した壁に本棚を置いていたところ、移動させたら壁と床にカビが発生していた。
こんな経験をした方もいるでしょう。北側の壁に沿ってタンスや本棚、勉強机といった大型家具を配置するのは避けるべきです。
特にタンスに洋服をぎっしり詰め込むと、空気の流れが遮断され結露のリスクが高まります。
「タンスの扉を開けたら内側に結露がびっしり」「大切な洋服がカビだらけ」という悲劇を避けるためにも、家具と壁の間には数センチの隙間を設け、空気が循環できるようにしましょう。
〇川口市での住まい探しとカビ対策
埼玉県川口市は東京都心へのアクセスが良く、マンション購入を検討される方も多いエリアです。
市内には築年数の異なるさまざまな物件がありますが、築年数が古い物件ほど断熱性能が低い傾向にあり、結露やカビのリスクが高まります。
川口市は荒川に近く、河川周辺は湿度が高くなりやすい地域もあります。
物件選びの際は、方角や階数だけでなく、周辺環境や建物の築年数・構造もしっかり確認することが大切です。
内見時には換気設備の有無や、24時間換気システムの稼働状況も確認しましょう。
■不動産購入前と入居後、両方の注意が必要
マンションを購入する際は、北側の部屋の状態を特に注意深くチェックしてください。
入居後も、家具の配置には十分配慮し、定期的な換気と除湿を心がけることで、快適な住環境を保つことができます。
結露やカビは、一度発生すると除去が大変です。
健康面でも経済面でも、予防が何より重要。
物件選びの段階から「カビにくい住まい」を意識することが、長く快適に暮らすための第一歩となります。
今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕











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