2015年12月7日、東京都大田区で「民泊条例」が可決され、2016年2月から施行される予定です。10月末に、全国で初めて民泊条例が制定された大阪は、施行が来年4月の予定であることから、今回の大田区が全国初の解禁地域となるもようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20151207-00000060-jnn-soci
民泊と言えばアメリカからやってきた「Airbnb」が有名ですが、旅館業法に抵触をするかもしれないグレーゾーンだということで世間を賑わしています。最近では、適法に事業が行えるよう認定事業者登録支援サービスも併せて提供する、日本企業の「STAY JAPAN」なども現れています。
さて、賛否両論あるこの民泊。不動産の資産価値にはどのような影響が出そうかといったことについて、少し書きたいと思います。結論から申し上げれば、ありきたりですが、収益還元法を用いて考えれば、民泊の一般的なものになっていけば資産価値は上がる方向だと私は考えます。(「収益還元法」については、色々なところで説明が書かれていますので割愛します)
不動産(家、土地、商業ビル等)は利用されないことには価値がありません。民泊はその利用される機会を増やす手段になりえるので、価値が上がる方向だと考えています。一方で、安全面(伝染病感染経路特定、共用部利用マナー、住民とのトラブル)等の懸念による資産価値への悪影響という側面ももちろんあると思います。とはいえ、例えば極端な例ですが、これまで年間賃料収入を100万円稼げるマンションが、民泊利用によって300万円稼げるようになったとした場合、上記懸念があるとしても、マンションを売買する価格が収入100万円の時代と同じになるかと言えば、きっとそれよりも高い価格で売買されることになると思います。そして、それを見ていた隣の住人もきっと“高く売りたい”と思うでしょう。でももしかしたら、“このマンションは落ち着かないもう住みたくない”と思うかもしれません。結局のところは、マンションとして民泊をどう扱うかを管理規約で定めることになるのでしょうから、そのマンションの所有者(管理組合)が議論して決めなければなりません。全ての不動産が民泊向きということはなく、収益を増加させられる不動産もあれば、逆に“民泊禁止”とした方が価値を上げられる不動産もあるでしょう。一つ言えるのは、家は買ったら価値が下がる一方の消費財では無く1つの金融資産であり、その資産を有効活用させることは常に考えておかなければならないということです。民泊という資産がキャッシュを生む別の手段がでてきたのは、それを考えるきっかけとしても良いのではないでしょうか。
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