修繕積立金は屋上の防水、外壁タイルの貼り換え、エレベーター設備の交換といった大がかりな修繕工事に充てますが、不足しているマンションは多いといいます。
どうしても足りない場合は、各戸の所有者が新たに負担しなければなりませんが、まずは管理組合の会計チェックが必要な場合が多いようです。
管理組合会計には、組合の事務や共用部分の清掃、植栽の手入れ、エレベーターの保守点検、水道光熱費などに充てるお金が出入りしていますので、1戸当たりの収入は月1~2万円というマンションが多いようです。しかしその業務を専門の管理会社に任せていますので、支出の多くは管理委託費として計上している場合が多く、そこのコスト削減をしているマンションは少ないようです。
本来であれば、複数の管理会社のサービスと費用をよく比較して選ぶのなら、競争原理が働き、理想といえます。そのような比較をしているマンションは国土交通省の調査では、全体の24%前後だそうです。その結果切り替えたのは全体の18%。76%は検討すらしていない実態がありますので、これから入居される方は、その辺の状況も考慮して、住宅購入に臨む必要がありそうです。なんなら自分が自ら、改革の狼煙を上げるぐらいの覚悟が必要かもしれません。
また、ブランド力のある大手ディベロッパーが分譲したマンションの場合、系列の管理会社に任せなければ資産価値が下がりかねないと考えている住民も多いようです。しかし、このような考えを捨て、切り替えに動いた管理組合が平均3割、管理委託費を減らせたという実態もあるようです。
また大規模修繕は12年ごとに計画しているマンションが多いようですが、専門家の意見を聞きながら、15~18年ごとにするのも有効な手段のようです。いずれにせよ、修繕積立金不足のマンションが多いようなので、その状況も考慮していの住宅購入が重要と考えます。
法人営業部 犬木 裕
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