マンション

自分の住む不動産は『資産』のはずなのに・・・。皆様は修繕積立金の目安はいくらかを把握していますか?

マンションの修繕工事に使う財源が不足する懸念が強まっています。

所有者が払う修繕積立金の水準を日本経済新聞が調べたところ、全国の物件の75%が国の目安を下回っていたという記事が少し前に出ました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28577740W8A320C1SHA000/

適切な維持管理には引き上げが必要だと思いますが住民合意は簡単ではありません。特に大都市に多い超高層住宅(タワーマンション)は増額に不安があります。そもそも、超高層住宅(タワーマンション)の大規模修繕が行われ始めたのはつい最近です。その為、今まで経験のある超高層住宅(タワーマンション)が少ない為、管理不全予備軍と呼ばれる超高層住宅(タワーマンション)の増加は周辺に悪影響を及ぼしかねないと言われています。

また、積立金不足から工事を先延ばしにするケースもあるようで、マンションの安全性を損なうことにもなりかねません。

突然ではありますが、皆様は修繕積立金の目安はいくらかを把握していますか?

国土交通省のガイドラインによると、30年間の均等払いで、15階建て未満は1㎡あたり月178~218円、20階建て以上は月206円を必要額の目安としているようです。

実際の必要額は建物の状態にもよるため、国の目安を下回っても直ちに問題とは言い切れません。

新築分譲を手掛ける不動産会社は新築時、販売促進を重視して割安な積立金を提示する事が多く、割安な積立金となっているケースが多いようです。

結果、約2割のマンションが大規模修繕工事の際に、積立金が足りずに金融機関からの借り入れや一時金徴収で修繕費用を賄うケースがあるそうです。

http://www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf 国土交通省の修繕積立金のガイドライン

そのような状況に大手不動産事業者や大手建設会社が保守費用を抑えられる新築マンションの販売や、修繕工事の受注を広げているようです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33694810R00C18A8TJ1000/ (2018年8月2日 日本経済新聞朝刊より)

野村不動産は12年程度が多い修繕工事の周期を、新築物件で最長18年に延ばせるようにするようです。そのような建物の供給が広がれば、ランニング費用が抑えられる事につながりそうです。

管理組合の積立金不足が問題となる中、最新技術を使って物件の寿命を延ばし、保守を含めた住居費を抑えられるようにすることで、新築物件の販売増につなげたい考えのようです。

個人的な意見ではありますが、これから人口減・家余りの時代に、新築物件の供給をし続ける事に不安を覚えますし、大学在学中にコンクリートの長寿命化の研究をしていましたので、コストを掛ければある程度の長寿命化は可能だと思いますが、新築時のコストに反映される訳なので販売価格の上昇が気になるところです。

大規模修繕工事は外壁の塗装や屋上防水、配管の交換などをする工事で、実施周期はマンションの区分所有者で作る管理組合や管理会社が決めています。

最近では『住民経営マンション』という考えが広がり、「自分達のマンションは自分達で管理する」といった動きが広がり、そこに住む人達でメンテナンスのタイミングや依頼を行うマンションが増えてきていると聞きます。

しかし、残念ながら分譲時に不動産会社が示した案(管理組合や管理会社)を変えないままのケースが多く、現在、多くの物件が約12年ごとに大規模修繕工事を行っています。

野村不動産は分譲マンションの主力ブランド「プラウド」で、修繕工事の周期を16~18年に延ばせる仕様の新築物件を横浜市と千葉県市川市に建設するようです。

外壁タイルを強度が高い接着剤で貼り付け、寿命の長い塗装剤や排水管も採用するようです。

新築工事費は従来物件より2%ほど割高になるようですが、購入者が長期的にみて、どう判断されるかを注目していきたいと思います。

国土交通省によると、既存の分譲マンションは全国で640万戸を超え,築40年を超える物件も約1割を占めるなど老朽化が進み、修繕需要は高まっています。

老朽マンションの『玉突き建替え』といった、容積率をさらに付加できる建替え推進のような動きもあり、工事費の高騰や修繕積立金の不足の問題など不動産を取り巻く環境では色々あります。

長谷工リフォームでも、超高層マンションの修繕で使う足場の自社保有を増やし、割高なリース料を抑える事で修繕工事のコスト圧縮を進める動きが始まっているようです。

屋上防水では耐久性が高く、新築並みの性能を容易に確保できる素材や工法を採用して保証期間を従来の15年から20年に延ばし、大規模修繕工事の周期の延長につなげる予定のようですし、大手建設会社も積極的に工夫する事で、消費者の信頼を得ようといった動きが広がっています。

勿論、重要な事は自分の住む不動産は『資産』でもありますので、その資産管理を人任せにするのではなく、自ら管理をする立場で積極的に情報収集を行う必要がありそうです。

法人営業部 犬木 裕

「頭金0円の方」にお勧めするローンの組み方前のページ

五世代住宅を知っていますか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    動かせない土地だからこそ重要な「見極め方」

    ■道路接道を理解する再建築不可物件を避けるための「接道義務」とは?…

  2. 不動産取引ガイド

    宅建業者について

    今回は不動産業以外の方にはあまり知られていない、宅建業者の事についてお…

  3. 不動産取引ガイド

    亥年は大地震が起きやすい?!事前の備えを万全に!

    先月、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(略称:木耐協)の全国大会に参…

  4. 不動産取引ガイド

    平屋住宅シニアだけじゃない若年層にも人気

    平屋とは「1階建ての家」のことです。すべての空間がワンフロアに収ま…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅購入と出産が重なると何かと大変です

    毎年春先は不動産繁忙期を言われ、この時期には不動産に関するニュースがた…

  6. 不動産取引ガイド

    不動産購入後に賃貸住宅を退去 引っ越し時の注意点!

    春は子どもの新入学や就職、転勤などで住み替えをする人が多くなります。そ…

  1. 不動産取引ガイド

    すまいづくりとは!
  2. 不動産取引ガイド

    その価格、売主さんの「言い値」じゃないですか?
  3. 不動産取引ガイド

    不動産購入時に知っておきたい!災害時は自宅が「籠城」となる?!
  4. 不動産取引ガイド

    空き家を再生する「フリッパー」 空き家改修費用の3分の1を補助で・・・?!
  5. 不動産取引ガイド

    「住宅ローンと団体生命信用保険:お金の守り方を考える」
PAGE TOP