リノベーション

インスペクション結果を購入判断材料に活用

インスペクションの結果、雨漏りが指摘され、物件の購入を見送ることになりました。

Nさんがはじめに絞り込んだ物件は、昭和62年築の木造2階建て住宅でした。
閑静な住宅街で、最寄り駅まではバスで6分とまずまずの立地。
ウッドデッキが特徴的な物件でした。

さっそく建築士によるインスペクションを実施したところ、雨漏れが発見されました。
この物件は売主が宅建業者の再販案件だったため、雨漏れ特定のための調査を依頼したところ、売主である宅建業者から断られてしまいました。
また、この物件の特徴であるウッドデッキ部分が最大の弱点で、建物が著しく不整形のため、大掛かりな耐震改修工事が懸念され、基準を満たす工事が現実的なコストでは実現できないことが指摘されました。結局、雨漏れの原因が特定されない限りは買うことができないと判断、この物件の購入を見送ることになりました。


続いてNさんが見つけた物件は、1件目より少し狭いのですが、最寄り駅まで徒歩圏内で、バスを利用すれば主要ターミナル駅へのアクセスも可能な好立地の物件でした。
平成10年築のまだ新しい物件で、数年前に外壁・屋根の塗装工事済みの物件でした。
建築士によるインスペクションの結果、指摘されたのは、基礎のひび割れと外壁コーキングの劣化程度で、それほどお金を掛けなくても改修が可能と判断されました。

Nさんがこの物件を購入する上で実施したリフォームは上記の劣化改善の他にはクロスを交換した程度。
思ったよりも改修コストを抑えることができました。

物件購入を見送るという決断は一見遠回りをしているように思えますが、程度の悪い物件を掴まされるのに比べたら何の問題もありません。
Nさんのように更に良い物件と巡り合うこともあります。
中古住宅の状態は家屋によって様々ですので、売買契約を締結してから考えるのではなく、建築士によるインスペクションの結果を購入判断材料に活用することが、失敗しない中古住宅購入では大切だと思います。

危険な場所は 地形図で見分ける前のページ

外壁塗装は何年に一度ぐらいやるのが良いのか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. リノベーション

    築43年の一戸建てを思い通りにリノベーション

    耐震+劣化改修で現行基準に再生ショールームをまわってこだわりの…

  2. リノベーション

    リフォーム済み物件でも 過信は禁物

    劣化改修・耐震改修・断熱改修…性能向上リフォームで築47年の物件が…

  3. デザイン

    活かせるものは再利用。味のある雰囲気で居心地の良い仕上がりになりました。

    選んだ物件は築40年超でボロボロの状態でしたが、建築士による性能向…

  4. リノベーション

    中古戸建てを買ってリフォームしよう!

    日本は人口減少社会なのでかつてのような新築偏重の住宅文化では空き家で溢…

  5. リノベーション

    2回の建物インスペクションでようやく辿り着いた安心の我が家

    新築分譲時1億超えの物件をお得に購入!構造・劣化の問題を解決し安心…

  1. 不動産取引ガイド

    秋の夜長の照明
  2. 不動産取引ガイド

    マンションの梁(はり)とは?仕組みと工夫で変わる住み心地
  3. 不動産取引ガイド

    検討不動産が、都市計画道路にあった場合の注意点
  4. 不動産取引ガイド

    契約の始まりと終わり ~停止条件と解除条件の違い~
  5. 不動産取引ガイド

    駅徒歩などの立地だけで土地を決めていませんか?
PAGE TOP