契約関係

不動産用語解説。「セットバック」とは?

戸建てや土地の販売チラシに「セットバック」という記載があった場合、気を付けることはなんでしょうか。

建築基準法では、原則として、前面道路の幅員が4m以上ない場合、建物の建築が認められません。

そして、道路の幅員が4mない場合には、建築確認を取る場合に、道路の幅員が4mになるように敷地面積を後退させられてしまいます。

これが「セットバック」です。

道路の向かい側が宅地だった場合には、自分の宅地は道路の中心線から2mになるところまでセットバックすればよいことになります。

一方で、道路の向いが崖や河川、または線路だった場合には、道路の幅員が4mになるまで一方的にセットバックしなければなりません。

状況に応じて、敷地として使える面積が大幅に変わってしまいますので、ご注意が必要です。

敷地として使える面積が減るということは、そのまま建築できる建物の面積に影響する、ということになります。

各土地には、「建ぺい率」「容積率」という定めがあります。

たとえば、「容積率80%」という規定がある土地では、100㎡の土地には80㎡の建物までしか建築できません。

そして、登記簿上は100㎡あるとなっている土地でも、「セットバック」により有効土地の面積が90㎡となってしまった場合には、建築できる建物の面積も82㎡までとなります。

8㎡減少してしまえば、5帖の1部屋分が狭くなってしまうことになります。

大きな違いになりますね。

販売チラシに「セットバックあり」との記載があった場合には、ご希望の条件を満たしているのか、注意深く調べるようにしましょう。

『デュアラー』が増えている?!2拠点生活を楽しむ人が増えている!前のページ

【地盤改良工事】工法別の費用とメリット・デメリット次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    空地・空き家所有者の探し方

    全国で空地・空き家の問題が顕在化していますが、実際のトラブルには色々な…

  2. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 9 【事前準備~売買契約締結 編 7/9】

    前回に引き続き「STEP 4 『商談開始(=買付申込)から売買契約締結…

  3. 不動産取引ガイド

    プロエージェントはここを見る!本部エージェントの現場レポート≪中古戸建て編①≫

    家探しをしていて実際に中古戸建を見に行ったとき、あなたなら何処をチェッ…

  4. マンション

    買って良い物件、買ってはいけない物件、選定基準さえ知っておけばきっと損はしません!!

    住宅購入を検討するうえで、購入して良い物件か悪い物件かの選定基準をご存…

  5. 不動産取引ガイド

    “見えない川”に注意!暗渠(あんきょ)の見つけ方≪前編≫

    住まい探しをしている時、川や水路の隣の物件に出会ったら、皆さんどのよう…

  6. 天災・事故等

    地震対策は「事後防災」ではなく「事前防災」が大切です!

    熊本地方はいまだ余震が続く状況ですが、1日も早い復興をお祈り申し上げま…

  1. 不動産取引ガイド

    東京圏、転入超過11万人=続く一極集中!
  2. 不動産取引ガイド

    いま一度IT重説を考える
  3. お金・ローン・税金

    「付保証明が出ても減税が使えない!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類と注意点…
  4. お金・ローン・税金

    2019年1月 地震保険料改定
  5. お金・ローン・税金

    育休中でも住宅ローンは契約できる?
PAGE TOP