不動産取引ガイド

不動産の価値を見極めろ!「ESG投資」と不動産

「ESG不動産投資」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。

「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の概念であり、投資の分野においては、企業の財務情報だけに頼らない投資判断が世界的潮流となっているということです。

「ESG不動産投資」とは、この「ESG」の評価手法を不動産鑑定にも活用しよう、という試みです。

国土交通省は、「ESG投資の普及促進に向けた勉強会」の最終とりまとめを発表しました。

http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000195.html

とりまとめでは、オフィスビルを対象として、働く人の快適性や安全性、イベント交流などのプログラムの有無などを一覧にして評価し、認証を与えることで、不動産投資を活性化しようという検討がなされました。

評価ポイントは多岐にわたり、室内のインテリアや、室内動線の快適性、働く人の運動不足改善への試みなども含まれます。

アンケートにおいても、「ESGによって不動産の評価が高まる」という回答が8割を超えたようです。

今回のESG不動産評価は、不動産投資を対象にしたものですが、似たような考え方は一般の住宅においても採用されています。

不動産の価値を価格だけでなく、快適性やeco性能、安全性などから評価しようという「住宅性能評価」というものもあります。

不動産に関しては、同じ商品が存在しない(立地や陽当り、眺望などすべて異なる)ため、評価をすることが難しいと言われています。

そのため、こうしたESG認証や住宅性能評価など、統一的で明確な判断基準が作られると、一般消費者にとってもわかりやすいものになると思います。

ただ、それでもこうした基準は、購入判断の目安にはなっても、最終的な判断基準とまではならないのではないでしょうか。

こうした評価基準を利用しながら、実際の不動産取引の経験を積んだエージェントにご相談いただき、失敗しないお住まい購入をしていただければと思います。

競売物件って簡単に購入できるの?前のページ

空き家率、過去最高の13.6%!何で空き家は増えるの?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    産休・育休中でもフラット35が利用できる!

    住宅ローンを利用する際に、フラット35も検討される方もいらっしゃると思…

  2. 不動産取引ガイド

    【予算設定と資金計画】 マイホーム購入に向けて予算を明確にしよう!」

    不動産エージェントの中田です。今回は、マイホーム購入を検討している皆さ…

  3. 不動産取引ガイド

    都心のマンションは今買い時か?

    マイナス金利によって、市場最低金利水準となっている住宅ローン。…

  4. 不動産取引ガイド

    台風や大雨の影響

    近年は、台風や警報級の大雨などにより、大きな水害が相次いで発生するよう…

  5. 不動産取引ガイド

    信じてはいけない!?公図のアレコレ

    不動産を契約する際、土地の所在や形状を知るうえで参考にされるのが、いわ…

  6. 不動産取引ガイド

    不動産購入後の引っ越し時の注意点について

    春は、お子様の入学や就職、転勤などで引っ越しを検討する方が増える時期で…

  1. 不動産取引ガイド

    【瑕疵保険②】新築と中古の保険制度
  2. 不動産取引ガイド

    自宅は夢のマイホームではなく、「運用資産」と考えるべき
  3. 不動産取引ガイド

    農地の購入についての注意点
  4. 不動産取引ガイド

    木造住宅なのに耐震診断ができない物件
  5. 不動産取引ガイド

    窓の形状の進化
PAGE TOP