以前「相続手続きはいつまでに」という記事で説明しましたが、相続手続きを放置していると、必要な書類が取得できなくなってしまうケースや、手続きが複雑になってしまうリスクが発生します。
今回は、実際に長年相続手続きを放置してしまったケース(Aさんの場合)のご紹介です。
Aさんのお父様はすでに他界されており、遠方のご実家にはお母様がおひとりで住んでいます。
お母様がご病気をされたことを機に、ご実家を売却してお母様をAさんのお宅に呼び寄せることにしました。
そこで、ご実家の権利状況を確認してみたところ、土地の名義がAさんの曾祖父名義のままであることがわかりました。
昔からそのご実家に住み続けていましたので、ご親族でも文句を言う人もいません。亡くなったお父様が相続してきたことは間違いなさそうです。
しかし、手続きを放置したままになっていたようです。
まず、このままではご売却ができません。
相続手続きをして、曾祖父→祖父→お父様→お母様のように名義書換の手続きをする必要があります。
ところが、この手続きを進めるにあたっては、曾祖父の相続人を含め、すべての親族から書類に押印をもらわなければなりません。
相続人を調査すると、全部で39名になってしまいました。
Aさんのケースでは、ご親族で近くに住んでいる方や、遠方でも協力的な方ばかりでしたので、時間はかかりましたがスムーズに手続きを進めることができました。
しかし、もし海外に行ってしまって連絡の取れない人や、協力的でない人がいた場合には、とてつもない労力・費用・時間がかかってしまいます。
必要な相続人と連絡が取れない、協力が得られない場合には、裁判手続きが必要になってしまう場合もあります。
不動産のお手続きでご不明な点がある場合には、お早めにご相談ください。
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