不動産取引ガイド

防災月間に考える「避難の必要のない建物」とは?!

突然ではありますが、防災科学技術者研究所の兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)で、首都圏直下地震をにらんだ新たな研究が進んでいるのをご存知でしょうか?

それも大型振動台「E-ディフェンス」を使い、地震の揺れに強い建物の設計を探る実験が進められています。少しマニアックではありますが、興味ある方はぜひ、下記ホームページをご確認ください。

http://www.bosai.go.jp/hyogo/index.html

現在、「非構造部材」と呼ばれる部分の耐震性能の評価が行われているようです。ちなみに建物を支える柱やはり、床などを構造体と呼ぶのに対し、非構造部材は天井材や外装材、ドアなどを指します。従来、建物の耐震性能を高める際は、まず前者の柱やはりなどを中心に強化するのが一般的ではありました。

しかし、今回は天井材や外装材などにセンサーを取り付け、データ収集を行い、天井の崩落などによる被害の推定や抑制に役立てる実験をE-ディフェンスにて行っているようです。

非構造部材の重要性が増したのは近年の地震被害の教訓より、建物が倒壊しなくても天井材の崩落で被害が増すことも無視できないと判断しての事のようです。

首都圏は人口が密集しており、地震の後、建物が続けて使えないと避難者が増えて大きな混乱につながりかねません。その為、手薄な非構造部材の対策強化は欠かせないようです。

首都圏では高層ビルの対策も重要と言われます。全国の超高層ビルの6,7割が集まると言われ、所有する企業は首都圏直下地震だけではなく、南海トラフ地震なども見据えた対策を進める必要があるようです。

一般的な対策として、油圧などで揺れを抑える「ダンパー」設置は効果的なようです。首都圏直下地震では長周期地震は起こりにくいとは言われていますが、激しい揺れに耐える対策としてダンパーは有効のようです。

弊社が入る新宿センタービルは旧耐震の建物ではありますが、288基のダンパーが設置され、近くにある損保ジャパン日本興亜の本社ビルなども同様の対策が取られています。

いずれにせよ、9月の防災月間には地震大国日本で住む以上、何らかの地震対策・知識は必要です。タイトルにもありますが、「避難の必要のない建物」に住んでおく事が出来ると、事前の備えとしては万全なのかもしれません。

住宅購入時にも、地震に備えられた住宅なのかを把握していただく事をおススメ致します。

法人営業部 犬木 裕

今日は防災の日です前のページ

【必見】10月1日からフラット35Sの金利引き下げ幅が変更となりました…次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    土地を捨てる方法とは

    メディアでも話題になっている全国の空き地問題について、新たに「相続等に…

  2. 不動産取引ガイド

    VR(仮想現実)を活用した不動産購入は本当に身近になるのか?!

    VR(仮想現実)はVirtual Realty(バーチャルリアリティー…

  3. 不動産取引ガイド

    マンションでカビが発生しやすい室内は?

    日頃、お客様と物件案内に行っていますと、マンション内での結露をよく見つ…

  4. お金・ローン・税金

    不動産取引が変わる!365日24時間取引が可能に!

    以前の記事で、年末年始も不動産取引ができるようになる、とありましたが、…

  5. 不動産取引ガイド

    マンションのゲストルーム活用法 トラブルを避けるた為のポイントは?

    近年、フィットネスジムや温泉、キッズルームなど、共用施設が充実している…

  1. マンション

    不全浮遊の限界マンション
  2. 不動産取引ガイド

    『断捨離』は不動産購入前にやりましょう!
  3. 不動産取引ガイド

    離婚による財産分与と不動産の話
  4. 不動産取引ガイド

    災害に備えた家づくり
  5. 不動産取引ガイド

    知っておくと楽?!不動産購入時に必要な書類について
PAGE TOP