不動産取引ガイド

「100点を目指すと不動産は買えない」

エージェントの中田です。
普段お住い探しのお手伝いをしていますと、物件が決められない“物件迷子”になってしまう買主さんが少なからずいます。

そのようなお客様は、資産性、駅距離、利便性、住環境、予算内に収まっている等、全てお客様の希望通りの物件なのに「他にもいい物件があるかも」「なんとなくこれでない気がする」「やっぱりもう少し考えてみます」と様子見をしてしまいます。

買主さん自身も「希望通りの物件だとは思うですけど…」と、ご自身でも戸惑いがあります。契約に踏み切るのが怖いというような心境になるのかもしれません。

お住い探しの初期段階ではよくある心境です。「まだ、見始めたばかりだから」
「他にも良い物件があるかも」「もうちょっと待とうかな」と先延ばしした結果、失敗した…ということもあります。今回は、家探しにおける買主さんの気持ちや見送るリスクをみてきましょう。

不動産は70点で検討しよう!

【100点を目指すリスク①】 希望に見合う物件が少なく、いつになっても物件が買えない。

物件を見送っても良い物件が頻繁に出てくれば問題もないのですが、そんなに甘くありません。特に昨今は立地の良いものはすぐに売れていってしまいます。
また不動産は同じものがありません。マンションなら同じ部屋のタイプで上下に移動すれば同じ間取りはありますが、眺望陽当たりなど環境が大きく変わります。新築でもない限り、同じ間取りの中古は早々売りに出ません。一方、戸建ての場合は、道路の幅、向き、接道の長さ、隣地までの距離、建物性能はまちまちで、全く同じものはないと言ってよいでしょう。

ですから、「悪くないけどとりあえず様子見しよう」と見送ったのち、半年1年以上も物件が買えない、「今考えればやっぱり買っておけば良かった」ということもよくあります。

自分の希望条件に100%あてはまる物件ほぼありません。不動産ポータルサイトに掲載されている物件はたくさんありますが、あなたの希望条件に合う物件は意外と少ないものです。
ポータルサイトに掲載されている物件100件あっても、気になる物件は5~6件ぐらい。見に行ってみたいものは、2~3件、欲しい買いたい1件ぐらいではないでしょうか。
ですから、100点を目指さず、あなたの希望条件に70%見合っている物件は検討していきましょう。

【100点を目指すリスク②】 良い物件はすぐに購入されてしまう。

物件が出てくるのを、今か今かと待っている潜在的な買主様は各エリアにいるものです。
このマンションに売りが出たら購入したい、○○丁目の土地が売りに出たらすぐに検討したい…、と待ち構えているお客様も人気エリアは相当いらっしゃいます。

だからこそ、魅力ある新着物件が出てきた場合、すぐに売れてしまうことが多いのです。早ければ、その週末で買付申し込みが入り「契約予定となりました」 といったことは日常茶飯事です。

「こんなにすぐ何千万円もの買い物を決める人いるの?」と思われるかもしれませんが、買った方からすれば、そのエリアでずっと待っていてやっと出たという心境です。

エリア限定で探され一度でも買い逃したことがあるお客様は、常に情報をウォッチしており、動きがとても速いです。特に人気エリアであればなおさらですので注意が必要です。

【安易な見送りリスク】 過去の物件に引っ張られ動けなくなる

購入出来る状態だった物件をなんとなく見送り、その後も色々物件を見ていくと、過去に気に入った物件が“自分の購入基準”になってしまうことがあります。人間の当然の心理として、「見送った物件よりはいい条件で買いたい」という気持ちに陥ります。
そのまま他の物件を見ていく中で「やっぱりあの時の物件買っておけば良かった…」と後悔することもあります。

住宅購入は大きな金額が動く為、当然不安があるのでなれば無理に購入する必要はありません。なんとなく“これ逃したら後悔するかも”という物件が出てきたら、安易に見送るのではなく、あなたが不安に思っていることや悩みをあなたが信頼のおける不動産エージェントに相談してみましょう!

リニュアル仲介では、不動産の資産性、流動性、木造戸建ての建物性能、管理の状況、資金計画、リフォーム、瑕疵保険、住宅支援制度等について様々な角度から提案できますのでお気軽にご相談下さい。

相続登記義務化の影響とは!?前のページ

不動産購入時の便利なWEBツール!新型コロナウイルスの影響により、オンライン化が進んでいる?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    大手住宅メーカー10社 中古住宅でも無料で瑕疵(かし)保険を提供開始

    先日、日本経済新聞の記事で、 「積水ハウスなど大手住宅メーカー10社に…

  2. 不動産取引ガイド

    【瑕疵保険①】中古住宅の保証って?

    今回から既存住宅売買瑕疵保険の新シリーズを始めます。耐震基準適合証明…

  3. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 17 【ローン正式審査~決済編 6/6】

    「海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し」シリーズ。今回は、「D.決済(…

  4. 不動産取引ガイド

    住宅購入は不安でいっぱい

    9月9日の読売新聞で「金融緩和「静かな出口」探る、賃上げ見極めは「年末…

  5. 不動産取引ガイド

    その消火器 使って大丈夫ですか??

    古くなり腐食などが進んだ消火器を操作した際に消火器が破裂し、負傷するな…

  6. 不動産取引ガイド

    不動産詐欺のプロフェッショナル ~地面師と呼ばれる者~

    不動産屋と聞いて、あまり良くないイメージを持つ方も少なくないのではない…

  1. 不動産取引ガイド

    私道の埋設管(水道)には要注意!
  2. 不動産取引ガイド

    水道料金が地域により最大8倍も違うのをご存知ですか?!自分の住んでいるエリアの水…
  3. 不動産取引ガイド

    住宅の内装壁の種類
  4. 不動産取引ガイド

    2022年住宅ローン控除はどう変わる?
  5. 不動産取引ガイド

    売主が海外に居住している場合の注意点2
PAGE TOP